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地球温暖化を抑えるオーガニック!

密接な関係がある地球温暖化と農業

私たちが住む地球では、人間の活動により、地球温暖化が進み生物多様性が失われつつあります。こうした環境問題に対応するため、農業生産の現場では、地球温暖化の防止や生物多様性の保全などに役立ついろいろな取組が行われています。

地球温暖化防止の取り組みと効果

「堆肥」を使ったり「カバークロップ」を栽培して土づくりを行うことや、「有機農業」を行うことは、一般的な農法と比べて農地の土壌に有機炭素がより多くたまり、地球温暖化防止に効果があります。

たい肥:牛ふん、わら、もみがら等の有機物を積みあげ、微生物の力で発酵させたもの。土壌にすき込むことで有機物を供給することができる。

カバークロップ:稲を収穫した後にレンゲなどそれ自体は収穫対象とはならない作物を栽培し、土壌にすき込むことで有機物を供給する取り組み。緑肥ともいわれる。

 

「農地に炭素がたまる」ってどういうこと?

農地土壌への炭素の投入量が放出量を上回ると、土壌中の炭素が増加します。土壌炭素が増えた分は大気中のCO2が減ったといえるので、結果として地球温暖化防止につながります。

有機農業の取り組みにより大気中へのCO2(温室効果ガス)の排出量を、年間15万トンも削減できることがわかりました。それは、40万台のエアコンが排出するCO2に相当する量です。

 

生物多様性の保全の取り組みと効果

農地は周りの山や川、水路とつながり、様々な生きもののすみかになっています。化学肥料や農薬を使用しない「有機農業」や、冬期に水田に水を張る「冬期湛水」によって、さまざまな生きものが育つ環境をつくり、生物多様性の保全につながっています。

 

食料調達の面でも鍵を握る有機農業

日本の食料自給率は約38%ほど。これは先進国のなかで最低レベルの水準です。

自給生産の面においても、肥料原料のほぼ100%を海外輸入に依存しているという状況。

さらに、近年のコロナのような感染症のパンデミックやウクライナ情勢等による国際的なサプライチェーンの混乱といった様々な国際情勢の影響により、肥料価格は高騰化農業経営は大きな打撃を受けています。もし調達が困難となれば農業生産そのものが止まってしまうリスクをもはらんでいることになります。

日本の有機農業の農地は、わずか0.5%…。いわば、現代の食生活は化学肥料に支えられている。これは決して大袈裟ではなく、危機迫る現実と言えるのではないでしょうか。

 

家庭から実現できる有機農業への支援と、つながりを生む「CSA LOOP

家庭の生ゴミを自宅で堆肥化できる「コンポストバッグ」の人気が拡大しています。

生ゴミを「ゴミ」として捨てるのではなく、微生物の力で「堆肥化」することにより家庭ゴミ量の削減が叶う。できた堆肥は、家庭菜園の有機肥料として有効活用。

しかしながらせっかく堆肥を作っても、一般家庭や都市生活者が堆肥を活用できる量には限度がありますよね

そんな課題を解決してくれるサービスが、話題を呼んでいます!

それは、日本発である「CSA LOOP」という株式会社4Natureが提供しているプラットフォーム。

生産者と消費者がつながる地域支援型農業(CSA)の考え方を応用し、食循環(LOOP)を組み合わせ、野菜と堆肥の資源循環を活性化する仕組み。

 

CSA LOOPは、消費者が農作物の代金を前払いし、年間を通して定期的に野菜を受け取ることができる会員制サービス。ここで着目してほしいのは、あえてこの時代に「対面形式での受け取り」を基本に置いているということ。

基本的に野菜の配送は行っておらず、独自開発したアプリを用いユーザー自らが拠点として設定されたカフェやファーマーズマーケットに足を運ぶ。現在は都心部を中心に17拠点で展開。定期的に農家と直接コミュニケーションをとることができ、家庭で使いきれない堆肥があれば持ち込みOK。また、オンラインでも農家と消費者、消費者同士コミュニケーションができ野菜の調理方法や堆肥化などの情報交換などが行われています。

生産者→自分の野菜を畑に還元することができる。消費者→自分が作った堆肥が、自分が食べる野菜の畑に活かされる。まさに食のLOOPを生んでいます。

 

自治体での循環チャレンジ「タンスコンポスト」<島根県松江市>

コンポストの取り組み。自治体から誕生したユニークなオリジナルコンポストとチャレンジ事例をご紹介します。

写真は、島根県松江市が展開する「まつえ循環プロジェクト」の一環で誕生した「タンスコンポスト」。令和4年度春よりクリエイティブディレクターに新羅慎二氏(湘南乃風・若旦那)を迎え、「コンポストの普及促進」はプロジェクトで推進する取り組みの1つ。

松江市の循環プロジェクトの取り組みに賛同する企業と協働で製作し、家庭に眠る古箪笥をアップサイクルしたというサステナブルなコンポスト。

松江市の環境センターに設置され、まずは市役所から出るコーヒー殻を投入し職員自らがコンポストにチャレンジ!松江市の今後の展開に注目したいですね。


KURKKU FIELD コンポストバッグ
https://kurkku.thebase.in/items/55966534

CSA LOOP
https://www.4nature.co.jp/csaloop

まつえ循環プロジェクト